1. LCC-格安航空ガイド
  2. LCC-格安航空会社の基礎知識
  3. LCCの飛行機にB737とA320が多いのはなぜ?

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LCC(格安航空会社)を利用していると気づく点があります。それは、B737、A320という相性で親しまれる飛行機が多く利用されている、ということです。

LCCは、その低価格な航空運賃を実現するため低コスト化実現への様々な取り組みを行っていますが、その中でも重要なのが運航コストの削減です。運航コストとは航空機が1回飛行するのにかかる費用のことで、飛行機を飛ばすためのジェット燃料費や空港使用料などが含まれます。運航コストを最小限に抑えるためには、できるだけ満席の状態で運航することが必要になります。そこで航空会社は様々な機種の中からその効率的な運航に最も適した航空機を選ぶわけですが、B737とA320という飛行機は運航効率を高める上で大変有効な機体であるというわけです。

できるだけ満席で飛行するための飛行機

B737とA320はジェット旅客機の中では小型の部類に入る機種です。1便あたりの座席数は170席前後で、比較的座席が満席になりやすいという特徴があります。

燃費効率に優れている飛行機

また、この2つの飛行機は機体が軽いこともあり、燃費効率に優れているため運航コストを抑えやすくなります。

近距離路線に最適

さらに、B737とA320は航続距離(≒飛行可能な距離)が概ね3,000km-5,000kmとLCCの路線の特徴でもある近距離の路線運航に最適なスペックを備えていることも大きな特徴です。

B737

B737-700B737は米ボーイング社のベストセラー機で、世界中のあらゆる航空会社が運航している飛行機です。

日本では、スカイマーク、ソラシドエア、エア・ドゥなどのLCCだけでなくJALやANAといった大手の航空会社でも主力機となっていますので実際に乗ったことがある人も多いことでしょう。

B737の主な機種と航空会社ごとの設定座席数
航空会社 機種 座席数
JAL B737-800 176席
ANA 176席
ソラシドエア 174席
スカイマーク 177席
ライアンエアー※参考 189席
ANA B737-500 126/133席
AIR DO 126席
JAL B737-400 150席
ソラシドエア 149席/150席

このように、JALやANAといった大手航空会社や海外のメジャーなLCCと比較すると、日本の各LCCが比較的ゆったりとした座席配置を行っていることが分かります。

A320

A320A320はヨーロッパのエアバス社の飛行機でB737と同じく世界中の航空会社で運航されている機体です。

日本初のLCCであるPeachの機材であることでも知られています。これまで日本のLCCではスターフライヤーを除いて利用されることがなかったA320ですが、海外ではB737と並んで非常にメジャーな機体です。今後就航が予定されている日本のLCCの多くで主力機材となることが予想されていますので、今後実際に乗る機会が増えることでしょう。

日本の航空会社で使用されているA320の機種と設定座席数
航空会社 機種 座席数
ANA A320-200 166席
スターフライヤー 144/150席
Peach 180席

スターフライヤーは、LCCでありながらも非常にゆったりとした座席配置で快適な機内空間を提供していることが伺えます。