- LCC-格安航空ガイド
- LCC-格安航空会社の基礎知識
LCC(格安航空会社)のリスク-遅延と欠航
LCCでは、運航効率を最大限に高めるために、使用機材(飛行機)を最大限に活用しています。これは、低コスト化を実現するためには欠かせない要素ではありますが、その反面、1機でも不具合が発生すると多くの便で遅延や欠航が多くなるというリスクもはらんでいます。実際に、2012年3月28日にPeachで起きた機材のトラブルでは、29日、30日に運航予定の計6便が欠航するという事態に陥っています。
遅延や欠航の影響範囲が大きくなる理由
1機の不具合がなぜ、数日間にも渡って多くの便に影響するのかと言えば、それは格安航空会社の保有する飛行機には“遊んでいる”ものがほとんどないという事情があります。飛行機は空港に駐機している時間は利益を生み出さない状態になるので、LCCでは極力多頻度での運航を行うよう機材のやり繰りを行っています。なおかつ大手エアラインのように代替機などを保有することはほとんどないため1機にトラブルが生じると非常に多くの便に影響が出やすくなります。
遅延・欠航時のLCCの対応
基本的に他社便への振り替えや他の交通機関(鉄道やバスなど)への振り替えも行いません。さらに、欠航に伴う滞在費に関しても利用者の自己負担となります。Peachなど日本国内のLCCでは自社の他の便への振り替えを行っていますが、海外のLCCの中にはフライトキャンセルされると航空券の払い戻し以外には自社便への振り替えすらも行わない航空会社もあります。
メリットとデメリットを理解しておく
このように、大手のエアラインと比較すると飛行機の遅延や欠航のリスクが少なからずあるのがLCCです。格安の航空運賃というメリットが大きい反面、トラブル時のリスクが大きなる側面も併せ持っているので、こうしたメリットとデメリットをきちんと理解し、ある程度覚悟した上で利用するのが賢明です。
特に、日本の場合は航空会社に限らずどんな業態においてもトラブル時の対応など充分過ぎるほどのサービスを提供するという慣例がありますので、こうしたLCCのトラブル時の簡素な対応に戸惑う人も多くいるでしょう。しかし、それがある意味ではLCCの格安航空会社たる所以でもありますので利用する前にしっかりとトラブル時のLCCの対応などを把握しておくことは非常に重要です。